スタジオジブリ作品の『ゲド戦記』作中で歌われる「テルーの唄」。
映画の主題歌でもある「テルーの唄」は、歌手の手嶌葵さんが歌っており、その歌声はまるでフルートのように優しくも力強く心に響くものがありますね!
今回はゲド戦記で歌われる「テルーの唄」の歌詞の意味について調査しました。

最後まで楽しんでいってくださいね!
ゲド戦記について


『ゲド戦記』は2006年に公開されたスタジオジブリの長編映画作品です。



宮崎吾朗監督のデビュー作としても当時話題だったね
原作は、『指輪物語』『ナルニア国物語』と並んで
世界三大ファンタジー小説
と呼ばれる世界的に有名な小説シリーズでもあります。
あらすじ
太古の言葉が不思議な魔力を発揮する多島海(アーキペラゴ)の世界「アースシー」が物語の舞台。
西海域の最果てに住む竜が突如、人間の世界に現れる。
世界各地で作物が枯れ、家畜が死んでいき、確実に“世界の均衡”が崩れつつあることの表れでもあった。
この災いの原因を探るべく旅をする大魔法使い・ハイタカ(ゲド)は、旅の最中、エンラッド国の王子・アレンと出会う。
実の父である国王を刺し、国を捨てたというアレン。
アレンは自身の心に闇を持ち、得体の知れない不気味な“影”の存在に追われていた。
ハイタカはアレンと共に旅を続けるうち、世界を襲う災いの背後に、“永遠の命”を手に入れようと目論む悪い魔法使い・クモがいることに気づく。
キャスト
- アレン(レバンネン)/岡田准一
- テルー(テハヌー)/手嶌葵
- ハイタカ(ゲド)/菅原文太
- テナー/風吹ジュン
- クモ/田中裕子
- ウサギ/香川照之
- 国王/小林薫
- 王妃/夏川結衣
- 女主人/倍賞美津子
- ハジア売り/内藤剛志
【動画】ゲド戦記『テルーの唄』
『ゲド戦記』の主題歌「テルーの唄」は、本作でテルーの声優も務めた歌手の手嶌葵さんが歌っています。



彼女のデビュー曲でもあるよ
動画(歌詞付き)
手嶌葵さんの清澄な歌声とともに紡がれる、まるで意味深なポエムのような歌詞が特徴的です。
この歌詞には、一体どのような意味や想いが込められているのでしょうか?
テルーの唄の歌詞の意味は?ゲド戦記登場人物の孤独を表現?


『ゲド戦記』の挿入歌である「テルーの唄」の歌詞は、宮崎吾朗監督自ら書き上げたものとして知られています。
この歌詞が綴られた背景には、どのような意味が込められているのでしょうか?
孤独がテーマ
「テルーの唄」の歌詞全体を通して、最もメッセージ性が強い要素は
誰もが抱えるであろう深い孤独感
にあると思います。
これは監督自身も過去に語っており、作中の登場人物はみな、
何かしらの強く深い「孤独感」
を心の内に秘めています。
王子という立場で生まれながら、理由もわからず父である国王を刺し、国を捨てたアレン。
そんなアレンと出会う、辛い過去をもち心を閉ざした少女・テルー。
歌詞には、「いつも一人で飛んでいる鷹」や「一人ぼっちの寂しさ」など、孤独や絶望、深い悲しみを表す言葉が繰り返し使われています。
そのような孤独や寂しさを感じながらも、人は、
いろんな人と出会い、何かを分けたり、もらったりしていくことが、生きていくことだ
という、強いメッセージが込められています。
『ゲド戦記』作中でも、アレンはハイタカとの旅路で誰かに救われたり、役に立ったり、テルーと出会い交流を通して心が成長していく過程が描かれていますね。
テルーという存在の大きさ
作中では主人公のアレンではなく、テルーが静かに歌う「テルーの唄」。
テルーは幼少期に親から虐待の末に捨てられた少女。



頬の火傷はその時の痕だね
そんな辛い過去を持つテルーは、テナーに拾われ、女手一つで育てられています。
命を大切にしないやつなんか大っ嫌いだ
テルーは、自分自身の境遇からか、命を粗末にしたり軽く見る人に対して強い嫌悪感を示します。
そんなテルーというキャラクターの人物像が色濃く表現されているのが、物語終盤のクモの館でのテルーとアレンの会話。
命は自分だけのもの?・・・私はテナーに生かされた。だから生きなきゃいけない
生きて次の誰かに命を引き継ぐんだわ
作中のテルーのセリフの節々には、
- 自分を虐待し捨てた親に向けた憎悪
- 自分の命の価値を軽視するアレンの言動への嫌悪
- 例えようのない孤独感や悲しみ
- 生きていくことの意味や意思の力強さ
そんなテルー自身のさまざまな心の内が表わされています。
曲のサビにある「心を何にたとえよう」という言葉は、まさにテルーの“心の奥底の心情”を表しているのではないかと考えられます。
“何にも例えようがない孤独感”に、今でも苛まれている
それが、テルーというキャラクターなのではないでしょうか。
そして、そんなテルーはアレンと歩み関係を築いていく中で、少しずつ孤独から解放されます。
物語の中心は主人公であるアレンですが、テルーの心情を歌にするという部分に、
どれだけテルーという人物像を重要視しているか
が垣間見えるようですね。
生きることへの問いかけ
また、「テルーの唄」には、人間の本質や真理をつくような表現があります。
歌詞に出てくる自由に飛びながらも休息を取れない鷹や、雨という恵みと引き換えに美しさが霞む花。
鷹や花にたとえて、満たされた中にも絶えず何らかの孤独や欠陥を抱える人という存在を表現しています。
人は誰しも孤独や失う悲しみを抱えるものであり、それらを背負いながら生きていくことこそが人生。
そんな、奥深いメッセージを秘めているようにも感じますね。
「テルーの唄」の歌詞は、人の心の奥深くにある感情を浮き彫りにしており、聴く者の心情に訴えかけるような強い力を持っている気がします。
まとめ
今回は、スタジオジブリ『ゲド戦記』作中で歌われる「テルーの唄」の歌詞の意味について深掘りしました。
奥深い歌詞が心に深く突き刺さりますね。
もちろん聴く人によってさまざまな解釈ができると思いますので、本記事での解釈もそのなかのひとつに過ぎません。
あなたの心には、どのように感じられたでしょうか?
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。